「日本派」特別展5 ―虚子と「ホトトギス」の小説時代



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俳書堂雑誌部から支払われた原稿料は、「吾輩は猫である(十)」が38円50銭、「坊つちやん」の原稿料が148円であった。
明治38年1月号の「ホトトギス」から連載され好評を博したことから、後日単行本『吾輩ハ猫デアル』三冊として出版された。
装丁は橋口五葉、挿絵は中村不折が担当している。

 





「吾輩は猫である(九)」
漱石自筆原稿





中村不折
「由井ヶ浜」

岡本月村
「奈良大仏殿」

漱石の「猫」が掲載された「ホトトギス」九巻六号に添えられた挿絵の校正刷
(ただし挿絵は「吾輩は猫である」の内容とは無関係である。)





「吾輩は猫である(十)」及び「坊つちやん」の原稿料領収書(明治39年4月30日付)





虚子宛漱石葉書
明治39年7月17日付

拝啓 「猫」の大尾をかきました。
京都から帰つたら、すぐ来て
詠んで下さい。昨日は所労
休みだから明日だと都合
がいゝ。 十七日

 

 


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