「日本派」特別展4 ―虚子派と碧梧桐派の鍛錬句会稿―



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「芳草集」

虚子派による鍛錬句会「俳諧散心」(左展示ケース参照)の草稿の中から、高点句のみを粋し、謄写版印刷(がり版)にしもの。校正用と当時「ホトトギス」を事務及び編集をしていた岡本松浜が所持していた「松浜蔵」の二冊が遺る。虚子鍛錬句会に毎回参加していた松浜は、麹町区富士見町靖国神社境内の虚子庵の隣りに住み、明治43年7月までホトトギス社の社員として編集や事務に携わり、虚子を補助した。
 なお、「芳草集」の「芳草」は、散心句会第一回の席題「草芳(かんば)し」にちなんだもので、虚子はこの日、「墨すてゝ芳しからず日蔭草」「垣間(かいま)見る好色者(すきもの)に草芳しき」などの後世に遺る句を詠んだ。

地下展示室

「ホトトギス」
十巻七号
「風流懴法」掲載

明治40年4月1日発行

地下展示室

『鶏頭』
『風流懺法』を収録

明治41年1月刊

地下展示室

「ホトトギス」
十一巻四号
附録の小説原稿
野上八重子「柿羊羹」
明治41年

地下展示室

藪 柑子
「障子の落書」
(ただし、虚子「病兒」、四方太「長靴」はなし)

 

 


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