虚子誕生130記念展」 ―優品と虚子像でたどる



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出口

地下展示室

 



















「ホトトギス」
表紙色紙絵
岡 信孝筆
昭和六十三年から平成十年までの八葉

 昭和七年神奈川県川崎市生まれ。祖父は虚子との交流も深い、日本画家の川端龍子。龍子が主宰した青龍社で画家の道を歩む。昭和四十一年の龍子逝去以降は、無所属として活躍。龍子の資質を受け継いだ、繊細でのびやかな花鳥画を得意とする。
大正・昭和と「ホトトギス」の表紙絵を描いた龍子と同じく、岡信孝も昭和五十九年を除く五十七年以降、現在に至るまで「ホトトギス」に表紙絵を提供している。
なお、「ホトトギス」の題字は創刊から画師が担当しており、信孝画伯揮毫による題字も、絵とのバランスを考慮され、微妙に大きさが異なっている。





ホトトギス表紙絵
色紙
小倉 遊亀筆

 明治二十八年滋賀県大津市生まれ。奈良女子高等師範学校(現 奈良女子大学)を卒業後、小学校や女学校で教鞭をとる傍ら、安田靫彦に師事し制作に励む。昭和五十五年文化勲章受賞。平成十二年七月二十三日逝去、享年百五歳。
なお「ホトトギス」では、昭和三十二、四十五、四十九〜五十一、五十三〜六、五十九年の十年間、表紙を飾った。





虚子筆扁額
「古壺新酒」

「古壺新酒」とは、昭和五年に虚子が造語し、作句のスローガンとして掲げた俳句理念。有季定型俳句を唱えた虚子は、五・七・五の十七文字という、江戸時代以来の古い壺(形式)の中に、自然をよく見、その感動を句にするという、「花鳥諷詠」の新しい酒(内容)を盛ることこそが、俳句のあるべき姿であると説いた。

 

 


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