「虚子誕生130記念展」 ―優品と虚子像でたどる―
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虚子自筆資料
東山静に羽子の舞ひ落ぬ(昭和二年)
この村を出でばやと思う畦を焼く(昭和四年)
鴬や御幸の輿もゆるめけん(昭和八年)
咲きみちてこぼるゝ花も無かりけり(昭和三年)
白牡丹といふといへども紅ほのか(大正十四年)
百官の衣更へにし奈良の朝(昭和二年)
神にませばまこと美はし那智の滝(昭和八年)
露の幹静に蝉の歩きをり(大正五年)
故郷の月のミなとをよぎるのみ(昭和三年)
はじまらむ踊の場の人往来(昭和二年)
石よりも古き茶の木と咲きにけり(明治三十九年)
年を以て巨人としたり歩み去る(大正二年)
俳句十二ヶ月軸
明治末から昭和十年代における、虚子代表句の十二幅揃(昭和十二年頃の揮毫)
虚子自身が句を選び、箱書ともに揮毫した「俳句十二ヶ月軸」は、明治末から昭和初期にかけての、虚子代表句がずらりと並ぶ。
「虚子」の署名も晩年の小振りな揮毫とは異なり、横に大きく広がった大変力強いもので、「ホトトギス」五百号を記念して数多くの半折や短冊が制作された、昭和十二年前後の書と推測することができる。
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