「仰臥漫録」



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チマ・チョゴリの少女

 子規が勤めていた日本新聞社の陸羯南(くがかつなん)の妻が、娘の巴(ともえ)さんに大韓帝国皇帝から下賜されたチマ・チョゴリを着せて子規を見舞うと、子規は早速隣の部屋に巴さんを立たせて写生をした。チマ・チョゴリの色どりの美しさに感動して「芙蓉ヨリモ朝顔ヨリモウツクシク」と詠んでいる。


午前 陸妻君巴サントオシマサントヲツレテ来ル。陸氏ノ持帰リタル朝鮮少女ノ服ヲ巴サンニ着セテ見セントナリ。服ハ立派ナリ。日本モ友禅ナドヤメテ此ヤウナモノニシタシ。
  芙蓉ヨリモ朝顔ヨリモウツクシク

袴ノ紐白 上ノ袴紫 中ノ袴黄
下ノ袴モ黄ニシテ短シ

 

 


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