虚子記念文学館投句特選句 平成23年
−−平成23年11月−− 【特選 10句】
新資料展示はじまり館小春
京都
安原 葉
五百万本のコスモス見し歩を虚子館に
米国
高橋カズ子
凩に虚子館の扉の少し鳴る
兵庫
三村純也
寂として虚子ありぬ冬日向
熊本
山下接穂
裏庭に山茶花朝の日をのせて
熊本
山下君子
老い故に遊ぶ京都のもみぢ狩
広島
山本義郎
養生の芝にやさしく落葉積む
兵庫
五十嵐至夏
個性ある文字も人柄冬ぬくし
京都
山崎貴子
雨の日を明るくしたり朴黄葉
兵庫
田中節夫
大虚子に叱られし夢冬に入る
兵庫
橋本絹子
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−−平成23年10月−− 【特選 10句】
水を打つ館の前庭奥庭も
京都
安原 葉
菊月の大安の虚子記念館
山口
松本圭二
芥川投稿文に愁思ふと
東京
大久保白村
木犀の匂うて古町らしくなる
鳥取
椋 誠一朗
木犀の匂ひそつくり譲る館
岡山
岩崎正子
震災の句碑は語部鳥渡る
大阪
徳澤南風子
澄む水のしづかに海へ芦屋川
神奈川
加藤厚子
芸術の秋漱石と龍之介
兵庫
奥田好子
あや芒たをやかに揺れしやんと伸び
京都
宮本幸子
ひと雨に空は一気に秋の色
兵庫
涌羅由美
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−−平成23年9月−− 【特選 10句】
秋の蚊を連れて新幹線の旅
東京
稲畑廣太郎
訪ひ重ね十幾年や館の秋
大阪
辻 千緑
四国越え台風迫る館閑か
東京
大久保白村
土砂流しつくせる水の澄めるかな
兵庫
岸川佐江
特選句読み合ふ高さ藤袴
高知
高橋以登
藤袴虚子館掲示板の前
高知
高橋 蛙
爽やかに虚子の盟友語る館
大阪
石橋玲子
芦屋川草も疲れて秋暑し
大阪
鶴岡言成
朝影にゆるり消えゆく風の盆
兵庫
山田佳乃
虚子館の一叢は黄の曼珠沙華
兵庫
橋本絹子
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−−平成23年8月−− 【特選 10句】
館の庭けふは人なく秋涼し
京都
安原 葉
俳磚を巡る秋の蚊払ひつつ
兵庫
三村純也
水音に邸の木蔭の風は秋
大阪
宮崎 正
八月の陰と光の十五日
岡山
黒杭良雄
群れつどふ御歯黒蜻蛉芦屋川
大阪
鶴岡言成
昨夜の雨残暑一枚流しゆく
兵庫
奥田好子
星月夜とは島風の濡るるほど
兵庫
山田佳乃
俳磚に秋めく日差し零れたり
鳥取
椋 誠一朗
自慢気に昭和を語り飲むラムネ
兵庫
涌羅由美
青蘆に水音の闇育ちをり
岡山
石井宏幸
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−−平成23年7月−− 【特選 10句】
虚子館の桂大樹の若葉かな
徳島
石原松女
記念樹の包み切れざる影涼し
兵庫
山之口倫子
清冽な音に浸りて涼をとる
兵庫
田中節夫
梅雨明の豊かな風の記念樹に
兵庫
五十嵐哲也
虚子館を越え邸奥へ夏の蝶
京都
安原 葉
俳磚の庭に結べる露涼し
大阪
須知香代子
夏萩や真昼の邸にある静寂
兵庫
松田恭子
虚子館のベンチに独り蝉しぐれ
兵庫
橋本絹子
館涼し虚子の世界に浸りゐて
大阪
辻 千緑
炎天を来て高虚子の懐に
広島
右田至鏡
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−−平成23年6月−− 【特選 10句】
手入して水打ちをへし庭を訪ふ
京都
安原 葉
深川正一郎展を蚊と共に
東京
稲畑廣太郎
六月や正一郎展後半へ
東京
大久保白村
虚子館へ梅雨空を引つぱつて来し
東京
荒川ともゑ
水音のどこか懐かし梅雨の館
鳥取
椋誠一朗
俳磚に卯の花腐しはよ上がれ
兵庫
三村純也
俳磚につと来て止る夏の蝶
兵庫
日下徳一
夏草の海へと傾ぐ芦屋川
大阪
鶴岡言成
虚子膝下九羊会あり青嵐
大阪
徳澤南風子
虚子館へ青葦の風芦屋川
大阪
徳澤彰子
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−−平成23年5月−− 【特選 10句】
虚子館も子供の日なり上天気
東京
今井千鶴子
新緑の館新しき船出かな
東京
稲畑廣太郎
降り立ちて館の新樹の幹に寄る
京都
安原 葉
俳磚に卯の花腐ししぶくほど
兵庫
三村純也
緑立つ芦屋の松や雲高し
東京
河野美奇
三連休昨日どんたく今日理事会
東京
大久保白村
冬扇といひし生涯風薫る
高知
橋田憲明
近寄れば俳磚親し五月晴
兵庫
五十嵐哲也
踏んで見る文学館の楠落葉
大阪
辻 千緑
顔触れに出逢ふ対談館うらら
兵庫
奥田好子
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−−平成23年4月−− 【特選 10句】
強風に地震に遅れて春の闇
東京
稲畑廣太郎
枝伸べて待ちゐし館の若楓
京都
安原 葉
薄墨の落花静かに風にのり
岡山
大槻秋女
俳磚に差すうすずみの花影かな
兵庫
長尾輝星
文学館公益認可風光る
東京
大久保白村
なつかしき枝垂桜もつくばひも
青森
工藤乃里子
しなやかに枝垂桜は風躱す
兵庫
玉手のり子
俳磚の日溜りに蝿生れたる
兵庫
三村純也
黄桜や紅のそぶりを見せぬ色
大阪
石橋玲子
落椿零れたる音地の吐息
大阪
友井正明
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−−平成23年3月−− 【特選 10句】
雛にも知らす悲しみありにけり
京都
安原 葉
虚子館に赤い椿の散りくづれ
東京
今井千鶴子
芦屋川きらきら花を急かせをり
東京
河野美奇
いつ来ても手入れよき庭落椿
兵庫
水田むつみ
理事会や三月の我が誕生日
東京
大久保白村
桂芽吹く虚子館展示能俳句
大阪
徳澤南風子
海風に明るき庭の花ミモザ
大阪
出水青陵
啓蟄や芝生養生中と留守
高知
橋田憲明
俳磚に侍る一輪落椿
大阪
辻 千緑
佇めば庭の点睛春の水
兵庫
田中節夫
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−−平成23年2月−− 【特選 10句】
春寒き彼の日の虚子の謡ふ背な
東京
今井千鶴子
紅梅の花弁日差に疲れけり
東京
稲畑廣太郎
虚子館の庭寒明の日の眩し
京都
安原 葉
鳴雪の古稀の写し絵鳴雪忌
東京
河野美奇
芦屋川下れば細り春の水
石川
西田さい雪
虚子館へ回り道して花ミモザ
大阪
中嶋陽太
虚子打ちし大鼓春を奏づ音に
大阪
徳澤南風子
風往き来して館の梅邸の梅
大阪
徳澤彰子
レストラン音楽なってあかいうめ
大阪
櫻井かな子(青少年)
なんでかなこのごろさむいひがつづく
兵庫
しみずおと(青少年)
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−−平成23年1月−−【特選 10句】
冬晴の朝一番の館の客
京都
安原 葉
虚子のこと年尾のことに去年今年
熊本
山下しげ人
冬麗の虚子の心にふるゝ旅
熊本
山下さと子
松過ぎの文学館に調べ物
東京
大久保白村
俳磚の虚子の御句へ御慶述ぶ
兵庫
三村純也
難読の解けて館の冬日和
岡山
黒杭良雄
写生説く虚子の書簡のあたたかき
大阪
若槻香女
春近き虚子記念館めぐりけり
京都
福井鳳水
虚子に学べる充実感明の春
兵庫
長尾輝星
虚子像に御慶一番乗りをして
大阪
辻 千緑
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