虚子記念文学館投句特選句 平成12年






−−平成12年10月から12月−−

【特選 10句】

冬紅葉虚子をたたへて朱を凝らす

生駒

塩川雄三

遺墨見て追慕新たとしたる秋

山形

西澤破風

身に入みて見入る亡き子の俳磚を

山形

西澤さち女

のびのびと虚子の染筆小春凪

明石

紙名 孝

遙か来て先師なつかし日短か

名古屋

神野ゆき子

虚子今も在はす気配の館小春

大阪

中野元子

秋深し端然として虚子寿像

福岡

深澤朱実

虚子像に万感迫る暮の秋

北九州

香山秀子

扁額の虚子の俳意や身にぞ入む

福岡

田中陶山

俳磚に佇つ影濃ゆき冬日和

名張

藤永二子

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−−平成12年7月から9月−−

【特選 10句】

露の世の一号薄しホトトギス

岐阜

板殿節子

きらら虫寄せざる記念館の軸

八尾

波多野惇子

極楽の世界に浸り館涼し

八尾

梶本佳代子

飛び込めば虚子の世界の冷房中

香川

湯川 雅

虚子を読む窓新涼の雲流れ

寝屋川

岡西恵美子

虚子記念館に遊びて夏深し

姫路

大谷千華

師にも会ひ虚子館も見て萩の風

岡山

中尾吸江

桂はや大夏木なる相をなす

三重

藤井充子

虚子在す館に心の涼しき日

大津

川端初子

木の葉揺る日の斑涼しく俳磚に

三重

山村勝子

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−−平成12年3月から6月−−

【特選 10句】

虚子記念文学館も花の頃

奈良

平野隆志

俳磚の風黄櫻に通ひあふ

徳澤南風子

永き日を虚子の館に学びけり

八尾

加藤昌子

誰れ彼れの名を俳磚に見し遅日

半田

高須のぶを

潮風に鎌倉偲ぶ夏館

明石

山本桂三

なつかしき虚子の筆跡みる薄暑

名古屋

二村蘭秋

薫風や潮の香も来る記念館

大分

佐藤富士男

美濃よりの桂に吹ける風五月

岐阜

西澤信生

記念樹の枝の整ひ来し五月

岐阜

澤原たけお

虚子像にま見え虚子館卯月晴

福岡

小原菁々子

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